広島県警呉署の巡査長(当時30代男性)が、盗撮容疑での逮捕を経て懲戒処分・依願退職。その後の裁判で、児童ポルノ所持や盗撮に関する罪で有罪判決を受けていたことが明らかになった。
現職警察官という立場が量刑判断に影響したとみられる判決が注目されている。
事件の概要

経緯
元巡査長は2024年4月7日午後4時45分ごろ、非番中に広島県府中町の商業施設内で、靴のつま先付近に小型カメラを仕込み、女性のスカート内に向けて盗撮しようとしたとされる。
店舗の保安員に取り押さえられ、通報を受けた警察に広島県迷惑防止条例違反(盗撮準備行為)の疑いで現行犯逮捕された。本人は容疑を認め「間違いない」と話したという。
その後の捜査で、2023年10月ごろに勤務先の交番内で、全裸の児童2人が写った画像1枚を保存したスマートフォンを所持していたことも判明した。
処分と判決の内容
広島県警は2024年5月、元巡査長を減給の懲戒処分とし、本人は依願退職した。広島県警の植義則首席監察官は「誠に遺憾。事実関係を調査のうえ、厳正に対処する」とコメントしている。
2024年9月19日、広島地裁は児童買春・児童ポルノ禁止法違反(単純所持)と性的姿態撮影等処罰法違反の罪で、懲役10カ月・執行猶予3年の判決を言い渡した。判決では「現職警察官の立場を利用し、事件関係者の信頼を裏切る悪質なもの」との趣旨が指摘されたとされる。
どのような罪に問われる可能性があるか

性的姿態撮影等処罰法(撮影罪)
正当な理由なく、ひそかに他人の性的な姿態を撮影しようとする行為は、いわゆる「撮影罪」にあたる可能性がある。
性的姿態撮影等処罰法(撮影罪)とは?
2023年7月に施行された法律で、正当な理由なく、同意のない相手の性的な姿態等をひそかに撮影する行為などを処罰する規定。法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金で、撮影に至らない準備・未遂段階の行為も処罰の対象になり得る。
本件では、盗撮しようとした行為について広島地裁が同法違反を認定し、有罪の判決を言い渡したとされる。
児童買春・児童ポルノ禁止法(単純所持罪)
性的好奇心を満たす目的で児童ポルノ画像を持っていた場合、単純所持罪にあたる可能性がある。
児童ポルノ禁止法(単純所持罪)とは?
児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第7条1項は、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持する行為を禁じた規定。違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金の対象となる可能性がある。

逮捕容疑と判決で認定された罪名が一致していないのがポイント。盗撮容疑での現行犯逮捕をきっかけに家宅捜索などが行われ、別途保管していた児童ポルノ画像が発覚するというのは、こうした事案でしばしば見られるパターンなんだ。
ネットの声


実刑ではなく執行猶予がついたと聞いて、判決が甘すぎるのではと驚きました。

これだけの処分で済むのかと疑問に思います。

現職の警察官が盗撮や児童ポルノ所持をしていたのに、懲戒処分は減給だけだったというのが引っかかります。

懲戒処分の『減給』はあくまで組織内部の処分で、そのあとに依願退職しているから、刑事責任とは別の話なんだよね。判決の執行猶予は裁判所が本人の事情を踏まえて出した司法判断で、それぞれ判断の主体とタイミングが違うことは整理して見る必要があると思う。

とはいえ、現職警察官という立場を利用したことが判決でも指摘されている以上、組織としての説明責任は引き続き問われると思うな。同種の事案が繰り返されないよう、内部の管理体制がどう変わるのかも見ていきたいね。
まとめ
広島県警呉署の元巡査長(30代男性)が、2024年4月に盗撮容疑で現行犯逮捕され、その後の捜査で児童ポルノ画像の所持も判明。同年5月に依願退職し、9月19日には広島地裁で児童ポルノ禁止法違反・性的姿態撮影等処罰法違反により懲役10カ月・執行猶予3年の判決を受けた。
懲戒処分と刑事裁判の判決は別の主体・タイミングによる判断であり、単純に「処分が軽い」と一括りにはできない面がある。一方で、現職警察官の立場を利用した行為だと判決でも指摘された以上、個人の資質の問題にとどめず、組織としての採用・監督体制のあり方も含めて、今後の広島県警の対応を継続して注視していきたい。




