大阪市財政局のあべの市税事務所に勤務していた58歳の男性職員が、自身の税情報を不正に操作して還付金を受け取っていたとして、2026年8月24日付で懲戒免職処分を受けた。
同僚職員の税情報を業務外に閲覧していたことも判明しており、税務システムへのアクセス権限の管理体制を揺るがす事案として注目されている。
事件の概要

経緯
大阪市によると、男性職員は令和5年6月、税務システム上で自身の税情報を不正に削除し、本来適用されるはずの控除が反映されない状態にして、住民税の額を実際より多く見せかけた。
その後、令和7年4月と令和8年4月に税情報を不正に入力し直して控除を反映させ、過払いの状態を作り出したうえで還付を申請し、現金を受け取っていたとされる。関西テレビ・MBSの報道によれば、受け取った還付金は9万9000円とされている。
さらに令和6年5月には、還付に関する通知の送付先情報を不正に変更し、通知が本来の送付先に届かないよう操作していたことも明らかになっている。
処分と送検の状況
大阪市は、令和6年度から令和8年度にかけて、男性職員が業務上の必要がないにもかかわらず、同僚職員の税情報を少なくとも16回閲覧していたことも把握している。自身の税情報についても、約400回にわたり閲覧を繰り返していたという。
男性職員は上司に対して虚偽の報告をしていたことも判明している。大阪市は令和8年8月24日付で、地方公務員法第29条第1項各号に基づき、この職員を懲戒免職処分とした。
大阪市は報道発表で「職員の非違行為に対しましては、これまでも厳正に対処してきたところでございます」とコメントしており、今後は服務規律の確保とコンプライアンス強化に取り組む方針を示している。本稿執筆時点で、刑事事件としての立件や送検の有無は明らかになっていない。
どのような罪に問われる可能性があるか

電子計算機使用詐欺罪(刑法246条の2)
職務で使うコンピューターに虚偽の情報を与え、財産権に関する不正な記録を作り出して利益を得る行為は、電子計算機使用詐欺罪にあたる可能性がある。
電子計算機使用詐欺罪
(刑法246条の2)とは?
刑法246条の2は、事務処理用のコンピューターに虚偽の情報や不正な指令を与え、財産権の得喪・変更に関する不実の電磁的記録を作るなどして、財産上の不法な利益を得る行為を禁じている。成立すれば10年以下の拘禁刑に処される可能性がある。
本件では、税務システム上で自身の税情報を不正に削除・入力し直すことで過払いの状態を作り出し、還付金を受け取っていたとされており、この罪に問われる可能性がある。
地方税法第22条(秘密漏えいに関する罪)
税務に関する事務に従事する職員が、職務上知り得た秘密を漏らしたり、自分のために不正に用いたりする行為は、地方税法上の秘密漏えいに関する罪にあたる可能性がある。
地方税法第22条
(秘密漏洩に関する罪)とは?
地方税法22条は、地方税に関する調査・徴収の事務に従事する者が、その事務に関して知り得た秘密を漏らし、または自分のために不正に用いた場合を処罰の対象としている。違反すれば2年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処される可能性が。
本件では、業務上の必要がないにもかかわらず同僚の税情報を16回以上閲覧していたとされ、この規定にいう「不正に用いた」行為にあたるかどうかが問われる可能性がある。

地方税に関する秘密の扱いは、一般の地方公務員法の守秘義務よりも罰則が重く定められているんだ。外部に漏らしていなくても、自分のために不正に使えば処罰の対象になり得る点は覚えておきたいね。
ネットの声


還付の通知先まで操作していたと知って、正直かなり手が込んでいるなと驚いた。

バレないと思っていたのが甘い。何年も同じようなことを繰り返していたんじゃないかと勘繰ってしまう。

自分の担当システムでここまでできてしまうなら、似たようなケースが他にもないか心配になる。

自分の担当システムへのアクセス権を、上司や第三者のチェックなしで使えてしまう体制自体に問題があると思う。

懲戒免職は当然としても、なぜ何年も見つからなかったのか、再発防止の仕組みも合わせて説明してほしいね。
まとめ
大阪市あべの市税事務所に勤務していた58歳の男性職員が、自身の税務システムのアクセス権限を悪用して税情報を改ざんし、還付金を不正に受け取っていたとして懲戒免職処分を受けた。同僚職員の税情報を業務外に閲覧していたことも明らかになっている。
今回のケースでは、担当者が自分自身の税情報を含めて自由にアクセス・操作できてしまうチェック体制の甘さという、構造的な課題が浮かび上がった。同種の不正を防ぐには、処分の重さだけでなく、操作ログの確認や定期的な監査といった仕組みの見直しが欠かせない。大阪市が示す再発防止策の実効性が問われている。





