広島県福山市役所の総務局に勤務する20代の男性主事が、庁内の職員名簿を不正に閲覧して特定した女性職員の自宅アパートに複数回押しかけていたことが明らかになった。市はこの職員を停職6カ月の懲戒処分とし、警察もストーカー規制法に基づく警告を行っている。
また、同時期に、同市の別の男性職員が集合住宅への侵入容疑で逮捕される事案も発覚しており、福山市役所の職員による不祥事が相次いだ格好となった。
市政に対する信頼を揺るがす事案として注目されている。
事件の概要

名簿悪用の経緯
市によると、総務局に勤務する26歳の男性主事は2026年4月、業務上アクセスできる職員名簿を私的な目的で閲覧し、好意を寄せていた女性職員の住所を特定した。本来は人事関連の業務でのみ使用が想定されている名簿を、私的な感情から閲覧した点がまず問題視されている。
男性主事は同月28日の夜、特定した住所の集合住宅を訪れ、以降5月2日と5月7日にも同じ場所を訪れていたことが分かった。短期間のうちに複数回にわたって現場を訪れていたことから、単発の行動ではなかったとみられている。
同時期には、同市人材育成課に所属する別の20代男性職員が、面識のない女性の自宅のカードキーを盗み、オートロックを解除して侵入した疑いで逮捕される事案も発覚した。二つの事案が相次いで明らかになったことで、市役所内の情報管理や職員教育の在り方に注目が集まっている。
処分と送検の状況
一連の行為を受け、福山市は男性主事を停職6カ月の懲戒処分とした。あわせて警察からストーカー規制法に基づく警告を受けている。事件は捜査機関に送致され、2026年6月17日付で起訴猶予処分となったことも明らかになった。
市総務部長の大本貴淑氏は「市民の皆さまに深くお詫びする。綱紀粛正を徹底し、職員に公務員としての自覚を促すとともに、市政に対する信頼回復に向けて取り組む」とコメントしている。
どのような罪に問われる可能性があるか

法令解説その1:ストーカー規制法
今回の行為が問われる可能性がある法令の一つが、ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)である。特定の相手への執拗なつきまとい行為を規制する法律で、警告や禁止命令に従わず行為を繰り返した場合には刑事罰の対象となる可能性がある。
ストーカー規制法とは?
ストーカー規制法は、特定の相手に恋愛感情等を抱いた上でのつきまとい・見張り・押しかけなどの行為を規制する法律。都道府県公安委員会の禁止命令に違反すると、2年以下の拘禁刑または200万円以下の罰金に。
本件では、男性主事が女性職員の自宅アパートに複数回訪れた行為がつきまとい等に該当すると判断され、警察からの警告につながったとみられる。
法令解説その2:地方公務員法(信用失墜行為の禁止)
もう一つ問われる可能性があるのが、地方公務員法が定める信用失墜行為の禁止である。公務員が職務の内外を問わず、その職の信用を傷つけるような行為をした場合に適用される規定であり、業務上知り得た情報の私的利用も対象に含まれ得る。
地方公務員法(信用失墜行為の禁止)とは?
地方公務員法第33条は、職員がその職の信用を傷つけ、職員全体の不名誉となるような行為をしてはならないと定めた規定。違反した場合、同法に基づき懲戒処分(戒告・減給・停職・免職)の対象に。
本件では、業務で得た個人情報を私的な目的で悪用した点がとくに問題視されており、懲戒処分の理由のひとつになったとみられる。

職員名簿という公務でしか触れない情報を、私的な理由で使った点が重い。単なる私生活のトラブルではなく、公務員としての立場を悪用したことになる。
ネットの声


公務員がこんなことをしていいはずがないだろ。同じ職場にこんな人がいたら普通に怖い。

名簿を私的に使って住所を特定するとか、完全にストーカー気質。れっきとした犯罪だと思う。

停職6カ月で済むのはさすがに軽すぎない?こんな行為をした人がまた同じ職場に戻ってくるのは正直不安。

そもそも職員名簿という業務情報に、誰でも私的な理由で閲覧できる状態だったこと自体が問題だと思う。情報管理の甘さが今回の事件を招いた面もあるよね。

停職6カ月で職場に戻れてしまうのは、被害を受けた側からすると納得しづらいよね。名簿の管理体制を見直して、二度と同じことが起きないようにしてほしいね。
まとめ
今回の一件は、公務で得た個人情報を私的な目的で悪用し、特定の相手につきまとったとして、福山市職員が停職6カ月の懲戒処分とストーカー規制法に基づく警告を受けたものである。今後は、職員名簿など個人情報の管理体制の見直しと、再発防止策がどこまで実行されるかが焦点となる。
同じ時期に別の職員による集合住宅侵入事件も発覚するなど、福山市役所では職員の不祥事が相次いで明らかになっており、市政全体への信頼にも関わる問題となっている。今後の同市の対応を継続して注視していきたい。


